NFTコンテンツを販売してみよう 第1話 「数々の疑問点」

みなさんご無沙汰しております。今回は、NFTコンテンツの販売体験をみなさんと一緒に順に体験するシリーズです。みなさんのコメント(本ブログの下段に記入欄があります)を拝見しながら、時間を追って順に進めていきたいと思います。

本ブログの内容は、YouTubeでも発信いたします。

YouTube版はこちらです

 


NFTコンテンツの販売を体験することの価値

 最近のコーギーさんのNFTのブログに触発されて、以前からやってみたかったNFTコンテンツの販売を自身でやってみようと思います。今は、2022年6月なので、アーリーアダプターとしとしては、若干遅いと言われるかもしれませんが、いくつか理由があります。

  • 昨年秋から着手したDX入門本の執筆が佳境に佳境に差し掛かっていたため

  • NFTやWeb3は、今現在進行中のDXの中で気にするべきいくつかの技術と比べて、多くの組織にとって「まだ時期尚早」と思っていたため

  • NFTコンテンツを購入して再販する手順はYouTubeやブログに多く説明されていますが、自分で新規販売するとなると疑問点が多く悩んでしまうため

 しかし、コーギーさんのブログを見たり、近森満さんの音声メディア伊藤穣一さんのPodCastを聴く中で、やっぱり何かしようと思うようになりました。とうのも、私はあちこちで講演させていただくDX講座や研修の中で、常々、新しい技術は自分で体験してみないといけないとお話ししています。単に評論家になって、「知っている風」を装って、いいところや悪いところを指摘するのは簡単です。でも、両方を理解して、本質を知っておかなければ本当に理解したとは言えないからです。よく暗号資産、仮想通貨は危険だという人がいます。確かに、いろいろな課題は孕んでいます。しかし、そのような課題があってもなお、多くの人の注目を集めるのは、そこに本質的な価値が見え隠れしているからだと思います。

 世の中に、ブログが登場した際も、SNSが登場した際も、未体験の人にそれを説明することは困難を極めました。今までの生活になかったものだからです。従来の言葉で説明をすることは極めて難しいのです。どれだけ外部情報から学んでも、自身で体験する以上の知識にはならないと思います。

 体験しないとわからないので、体験することを私が特におすすめするデジタル技術は、NFT以外では以下の通りです。

自ら体験することをお勧めするテクノロジー:VRゴーグル

  • VRゴーグル

  • ロボティクス技術

  • ドローン

  • スマートウォッチ

  • AR

  • メタバース

 上記はいずれも手軽に体験できる環境が整っています。ぜひ、気になるものから順に体験してみましょう。それぞれの体験方法は、ニーズあれば、また別の機会にお話しします。

 

疑問点1:まず何を販売するべきか?

 最初に直面する疑問は「まず何を販売するべきか?」です。みなさんなら何を販売しますか? というのも、NFTで実際に販売されているコンテンツと言えば、デジタルアート(2次元、3次元)や音楽など、「複製可能だけど、今までコピーされても何も対抗できなかったもの」が多く、従来の世界観で物を出品するというものと概念が大きく異なるからです。

 私は自身のオリジナルコンテンツという観点から、自身の書いた絵画を売れないかと思いました。しかし、リアルに存在するものをNFTで販売することは可能ですが、何か本質を外す気がしましたので、リアルでないものにすべきだと思いました。

 次に、弊社エグゼクティブアドバイザーのエリック教授が世界で最初にデジタルトランスフォーメーションを提唱した際の論文(デジタル原稿)が売れるような気がしました。しかし、私個人が著作権を持っているわけではなく、初めてのNFTコンテンツ販売で実験するべきものではないと感じました。

 次に、写真や動画を加工して販売するなら、私の個人所有物だけで完結するので良いと思いました。しかし、いくら考えても、素人コンテンツを出展することで、買い手がつくような気がしませんでした。何かよい素材があればいいのですが、そうでなければ、このアイデアは厳しいかと感じました。

弊社YouTubeなどでお馴染みのDXあるあるイラストの例

 次に考えたのは、弊社YouTubeのDXあるある実践シリーズなどで登場するDXあるあるイラストです。こちらは、プロのイラストレーターの日高由美子さんに、DX事例によくある失敗を戒めるために2020年に発注して制作させていただいたもので、大変評判もよく、昨年はカレンダーにも利用させていただいたものです。こちらについては、弊社が著作権もいただいておりますので、あらためて日高さんにご連絡し、今朝ほど許可をいただきました。このシリーズは全部で15種類ある作品で、みなさん好みで好きな作品が異なるので、バラバラに販売すればどれが人気があるか測れるという観点で面白さを感じました。

 日高さんは、楽しいイラストでビジネスコミュニケーションを円滑にすることを得意とされています。

 日高由美子さんが代表を務められる「えがこう!」のポートフォリオは、こちらになります。

 えがこう!ホームページ

 えがこう!ポートフォリオ

 

疑問点2:販売するのは何権なのか?

 ここで気になるのは、何権を販売するのかということです。つまり、著作権所有権利用権使用許諾権とか、一体何の権利を売ることにあたるのか、よくわからないという点です。ただ、著作権ではなさそうなのです。著作権は、著者が本来持つ権利なので、改変も販売も何でもできるだけです。でも、そのような話はあまり聞かないので、今回NFTで販売するのは、所有権、利用権、使用許諾権などといったものになりそうです。NFTコンテンツは2次流通可能なことが特徴として挙げられますので、移転可能な権利と言う観点で所有権を販売するということが、一番イメージに近い気がします。利用権、使用許諾権でもよいのですが、期限つきの利用権だと2次販売する対象に適さないからです。

 ここについては、さらに具体的に進めていった上で、解明されることと思いますが、専門家の方などいらっしゃいましたら、コメント欄などで教えていただけると嬉しいです。

 なお、以下の専門家のブログを参考に読ませていただきましたので、リンクを掲載いたします。

SATORIA法律事務所「NFT取引の法的分析~「NFT化」「NFTの保有」「NFTの売買」とは法的には何を意味しているのか~」

 

疑問点3:いくつ販売するべきなのか?

リアルな製品であれば、どんどん増産してよいのがリアル経済の常識

 次に私に襲い掛かってきた謎は、「いくつ販売するべきなのか」です。リアルな骨董品やチケットであれば、泣いても笑っても1個売ったら終わりなので、1個しか販売できませんが、デジタルコンテンツは、1個だけ売ることも、100個売ることも、1億個売ることもできます。この何個売るべきなのかは、私を悩ませるとても大きな問題です。というのも、1個販売する予定が、後から100個追加で販売されたら、最初の1個を買った方は詐欺にあったような気持ちになることでしょう。100個が1億個になっても同様です。そのため、いくつ売り出すかは最初に決めて、販売者として変えてはいけないのだと思います。リアルな製品であれば、どんどん増産すればよいのですが、販売者が勝手に増産することを許されるようにするには、最初から無限大に販売しますという前提にしないとならないと思います。しかし、無限大に販売されるデジタルコンテンツに価値はつくのでしょうか。たとえ、すべて本物で正規の手法で手に入れたものですと弊社が証明したところで、価値はあってないようなものになると思います。まして、NFTコンテンツは取引手数料がそれなりに発生しますので、価値がとても低いものは市場で流通させようがないのではないかと思います。

 

自由相場制で商品の価値が決まる方式

 ここで私はNFTコンテンツをビッド(競り)で販売することを前提に考えていたことに気づきました。例えば、定価1000円などと値段をつけて、工業製品のように大量販売する分には、無限大に販売しても商法としては問題ないでしょう。しかし、前述の取引手数料を考えると流通させようがないことに変わりはありません。まして、無限大に販売される商品については、二次流通というマーケットが成立しません。何故ならば、所有権を持つ誰かから買い取らなくても、販売者が一定の価格で販売し続けるからです。ということで、NFTコンテンツ取引の本質を考えると、数量を限定し、価格が市場相場で上下するビッド(自由相場制)でコンテンツを販売したいと思いました。

 

想像を繰り返す筆者

 では、何個にするべきか、最初の疑問に立ち戻ります。リアルな版画作品などは、通し番号が記入されてて、全部で100個しかない作品などというプレミアムがありました。デジタルの場合は、そのような作業面での制約もありませんので、1個から何億個でも数量を決めることができそうです。CryptoPunksなどの有名なNFTアートは、1つ1つを唯一無二のものにすることによって、プレミアム感を高めています。そのようなアーティストは、同一のものは作らず、たくさんのアートを常に大量に生み出しています。先日、東京の南北線の通勤電車の中で、スマホ1つを持って立っている通勤客が、このようなアバターのようなものをすごい速さで次々と描いているのを見かけました。サラリーマンの副業でしょうか。おそらく、このように大量だけで唯一無二のものを大量に作ることがアーティストとしては正しい方向性の気がします。1つ1つの単価が高くなることにより話題性も増しますし、取引手数料のコスト負担が割安に感じられるからです。ただ、私自身はアーティストではありませんので、ここでは、あまり数を多くしすぎず、売れきれたあとの自由取引相場というものも考慮し、仮に100個としようかと思います。つまり、シリーズの15種類のイラストそれぞれ100個販売して、合計1500個売るわけです。

 どうです? 1つ1万円で売れたとしても、全部売れたら1500万円です。もしそうなったら、イラストレーターの日高さんにお願いして、次は1個1個が唯一無二のDXイラストを生産販売する新しい事業を一緒にはじめたいくらいです。

 ということで、夢は膨らんでまいりました。いつまでも考えていても仕方ないので、早速、販売のための手順に移りたいと思います。

 おっと、ここまで書いたところで、講演のお仕事の時間になりましたので、続きはまた次回・・・・

第2話「必要なものを準備する」

YouTube版第1話はこちらです

(荒瀬光宏)


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