スシローでの迷惑行為事件とデジタルリテラシー

スシローでの迷惑行為がSNSで炎上した事件

 大手回転寿司チェーン「スシロー」の店内で若い男性が醤油ボトルや湯のみをなめるなどした問題をメディアが報じている。(Yahooニュース

 いまの社会はコロナ禍などもあり、公衆衛生に大変気を使っている現状、このような行為は言語同断であり、許される行為ではない。この動画がSNSに公開され、たちまち大問題となった。

 問題の高校生は保護者と一緒に株式会社あきんどスシローに謝罪に訪問したとのことだが、被害を受けた同社は様々な対応に追われ、株価が下がるなど、大きな痛手を受けたことから、警察に被害届を出したと報道されている。

 同社に限らず、消費者との信頼をベースに成り立ってきた回転寿司という業界全体に大きな衝撃が走り、多くの関係者が対応に追われていることであろう。

なぜこのような事件が発生するのか

 なぜこのような事件が発生するのか、加害者の動機は何だろうか。今回の加害者は高校生であり、大人未満子供以上と言えるかと思うが、子供にはもともと、親や大人が困ることをやって、その反応を面白がる性質がある。これは、多かれ少なかれほとんどの子供が通ってきた道であると思う。今回は、これらの子供の行動の延長にあるような印象を受ける。今回は、その対象が親ではなくSNSの先にいる多くの人々であり、人に衝撃を与えることを目的としていたと想像される。

 もちろん、回転寿司業界には、そのビジネスモデルの構造上、衛生上の課題は常に存在しており、そこを担保するのは、顧客や消費者の道徳観念であり、店舗との信頼関係であった。今回のような事件が発生すれば、何かしらの対策が求められる。リスクを少しでも下げるための方策はアクリル板設置、商品へのカバーの設置、IoTなどのデジタル機器での監視など考えられなくもないが、費用対効果を考慮すると、最後は顧客の社会的常識に依存せざるをえない。

デジタルリテラシーを向上する取り組み

 ここで我が国のデジタル教育について振り返ってみよう。デジタル教育というと、多くの日本人はプログラミングができるようになることをイメージされるようで、実際に、学校教育にプログラミングが取り入れられ、多くのプログラミング塾が立ち上がっている。

 もちろん、プログラミングは重要なスキルだが、以前仕事でご一緒させていただいた坂村健先生にデジタル教育には、以下の3要素があると伺ったことがある。

デジタル教育の3分野とは

CS:コンピュータサイエンス:アルゴリズムやプログラミング、PCの仕組みの理解など

IT:インフォメーションテクノロジー:効率的なWeb検索といったITの使い方など 

DL:デジタルリテラシー:デジタル社会のマナーやリスクを学ぶ

 ここで言うデジタルリテラシーとは、

  • Web上で自分が引き起こしてしまう可能性のあるリスク(他人を誹謗中傷すること、社会的な問題を引き起こすこと、マナー、道徳など)を理解し行動する能力

  • Web上に潜む悪意の被害者になるリスク(フィッシングメール、ウィルス、デマ情報、プロパガンダなど)を識別し対処する能力

といった側面を持つ。

 今回の事件は、SNSで公開しなくても、公衆衛生上やってはならない迷惑行為ではあることは間違いない。しかし、SNSにて他人に衝撃を与えようという狙いで実行した行為だとすれば、デジタルリテラシーが高ければ防げた問題かもしれない。また、SNSで公開することのインパクトの大きさや影響範囲が従来のリアル空間と比べてデジタル空間では圧倒的に高いことを理解しておく必要がある。

 デジタルリテラシーは、まだまだ社会での必要性が高まってから歳月がたっていないので、確立されていない部分もあるものの、早期に我が国の教育にしっかり取り入れて、単にリアル世界でのリスクだけではなくデジタル世界でのリスクについて人々が考え、向き合い、より快適な社会を築いていければと思います。

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