起業5周年にあたっての所感

【起業5周年にあたっての所感】
株式会社デジタルトランスフォーメーション研究所 DXエバンジェリスト荒瀬光宏

デジタルトランスフォーメーション研究所を起業して5年、DXの研究に専念してから6年が経ちました。当初は、単なるデジタル化しかできていない日本企業を変革して競争力を取り返すための重要な取り組みとして、「DXという変革のメソトロジー」を啓蒙普及することをミッションとして活動を開始しました。エバンジェリストと言ってみたものの、それで生計を立てられるわけではなく、ボランティア的仕事がほとんどとなりました。予算の少ないイベントであっても啓蒙普及のチャンスがあれば、積極的に活動している結果、家族からは、散財するだけの仕事は、仕事でないと指摘されることもあり、悩みながら活動をしてきました。

デジタルトランスフォーメーション研究所のビジョンとミッション

これまでの活動の結果、DX提唱者のストルターマン教授に参加していただき、「1冊目に読みたいDXの教科書」を出版し、これまでに計70,000名の方にセミナーや研修を受講いただくなど、活動は進展しているようにも見えます。しかし、お客様がより収益を得られる体質になるお手伝いをしているにも関わらず、自社のビジネス面では、まだまだ試行錯誤の状況です。私自身はお陰様で対価をいただく活動も増えておりますが、自己犠牲的な社会貢献をされている方はたくさんいらっしゃると感じます。

これまでの活動実績(一部)

世の中に貢献することが自身の生計を苦しめるという事象が発生するのは、現在の金融資本主義の課題でもあるのではないかと考えています。金融資本主義は社会に価値を提供することで対価が生じる仕組みなので、お金を稼ぐことために人が活動すれば、結果的に社会の価値が高まるという論理に乗って回っているのですが、「社会に貢献する活動」と「対価が得られる活動」が完全一致していればよいのですが、残念ながら、この2つの集合(ベン図のようなものを想像ください)の重なり合いは、年とともに小さくなっていっている気がします。

社会貢献活動と対価獲得活動の相関関係が低下し続けている

昨今、デジタル技術の台頭によって仕事が減るという懸念を耳にします。しかし、それは収入が減ることを懸念しているだけであり、本来、就労時間が減ることは喜ばしい事です。つまり、少ない労働で生活していける未来型社会に近づくことは、人に余暇や自由な時間と言う恩恵をもたらすからです。また、その自由時間を活用し、「社会に貢献する」、「社会課題を解決する」活動に積極的に取り組むことが、より人間らしい生き方になるのではないかと考えています。


この「本来」と言った理想的な社会への変化を果たすためには、

①恩恵の再分配
 少ない労働力で現在の社会を維持できるようになる社会のスマート化の恩恵を、すべての人が受けられる仕組みにすること。つまり、収益効率のよい仕事をする人に冨が集中して、収益効率の悪い仕事をする人との差が広がる金融資本主義を是正する(岸田政権の新しい資本主義という発想も近いと思っています)こと。

②社会貢献活動を評価する仕組み
 自由時間を使って社会に寄与した場合、その功績が評価され、評価に応じてベネフィットが得られる仕組み。これにより、社会課題の解決を加速することができ、単に「自己犠牲を伴うボランティア」ではなく、「ベネフィットを伴う社会貢献」という観点で、住民の生き甲斐を高めることにつながる。

が必要となると思います。このような社会貢献に喜んで参画できる健全な社会作りに向けて、実行するべき変革アクションは多岐にわたります。

これらの変革は、国のDX、社会のDXなどと呼ばれるものであり、担い手は政治家や行政(中央省庁や自治体など)となります。マイナンバーを始めとするスマートな行政サービスを進めることはもちろん重要ですが、それにとどまらず、新しい地域や社会の姿を目指す行政のDXも本当に重要だと思います。もし、現行の行政サービスをデジタル化、オンライン化するだけを指してDXと呼んでいる自治体がまだあるようであれば、ボランティアになるかもしれませんが、喜んでご説明に伺いたいと思っています。

長くなりましたが起業5周年の所感を共有させていただきました。


上記内容について、ご質問、ご相談摘などありましたら、遠慮なくご連絡いただければ幸いです。

(荒瀬光宏)


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